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2007年新春号   「イエメンレポート」 vol.2
卒業生・服部陽二

 イエメンで、ボランティアによる台湾式リフレクソロジーを教え初めてから3年が過ぎました。最近の近況と雑感をお伝えします。

 今年のはじめ、過去に当地ローカル新聞で掲載された私の記事をまとめる形で、リフレクソロジーに関する小冊子を印刷し、無料でイエメンの方々や関心のある外国人に地道に配布してきました。

リフレレジュメ

 私も長い間、台湾式リフレクソロジーを学びたいと思ってきたものです。しかし門戸が狭く、現地で弟子入りでもしない限り、公に教えられることは殆どないのではと思い、今生では台湾式リフレクソロジーを学ぶ機会はないのではないかと諦めていました。それが、日本でもドクター・フットで技術を学ぶことできると知り、私が学び始めたのはいうまでもありません。

 小冊子だけではなかなか実際の足もみのやり方のイメージがわからないとは思いますが、従事者全体の独学でなんとかやってみようという人も少なからずいて、見知らぬ人から「足もみの効果を実感した」という感想もごくたまに聞きます。ドクターフットの技術を紹介でき、小冊子を作った者の冥利に尽きます。従事者全体のまたエチオピア人の生徒が多くいたこともあり、アムハリ語によるリフレクソロジーのレジュメ(左写真)も作成し、広く配布してきました。

         
 では、3年目を終えてイエメンで感じたことは以下の通りです。

1.まずは継続が大切であること
私が1年目、2年目に教えた生徒の多くは、台湾式リフレクソロジーの技術をあまり自分のために生かしていません。「困ったときの神頼み」的にリフレに効果を期待する場合と、興味があるも期待した効果が即効的にないので数ヶ月でやめてしまう場合、というのが典型的です。
足をもむときには、相手に合わせて刺激を多様化することが必要で、それが重要であることは教えています。しかし拙速な人や、当座の不快な症状が軽減すればいいという人は、本当の効果を感得する前に練習から離脱してしまう様子です。6ヶ月ぐらい足もみを続けた人は日々の習慣になるので、足をもまない日はないというリズムになると感じます。

2.『好転反応』を理解し、乗り越えるのは実は難しいこと
二つ目は、イエメン人には好転反応というものがなかなか理解してもらえないことです。
足もみをして、アザや好転反応として一時的にいろいろな不快な症状が現れると「足もみで酷い目に遭った」という風に認識されてしまいます。好転反応について手を尽くして説明をしてきましたが、なかなか理解してもらえないのが実情です。ここはメンタリティの違いとでも言えましょうか。なお、イエメン人は痛みに非常に弱く、「痛い」=「悪い」という発想が見られます。ちなみにアフリカの人は、かなり痛みには強いです。

3.事後ケアと奉仕の精神が必要であること
三つ目は、足もみを他人にする人はきちんとした自分の手のケアが必要であることです。
多くの生徒が手を痛めます。他人に対する足もみは自分の体を壊さないように行うべきでしょうから、力加減や前後の手のケアが重要です。手・腕の筋膜をほぐすとか、指圧するなどのケアの仕方は生徒にも教えていますが、案外、それを怠る人が少なくないとの印象です。
足もみは献身的な側面がありますので、興味や練習の持続にもそれをいとわない奉仕の精神が必要でしょう。


 さて、イエメンは後発開発途上国の一つで、たとえば国営企業の職員の平均的な一ヶ月の給料は50米ドル前後です。ですので、体が不調になったときにどう対処するかは一般庶民にとっては重要な問題でもあり、また死活の問題ともなり得ます。代替療法、民間療法に向かう人はどれ位いるでしょうか。

イエメン

 当地の11月26日付サウラ新聞の記事で、イエメン保健人口省の医療情報研究センターの報告として「最近のイエメンの民間療法の現状」に関する面白いデータがありました。以下の通り紹介しておきます。

 残念ながらリフレクソロジーの概念はまだ存在していないようです。しかしデータをみても、イエメンで「」漢方」など自然療法への関心は高いことがうかがえ、今後リフレクソロジーが広まっていく可能性は十分にあるという感じがします。

『サヌア市をはじめとする主要8都市で調査した民間療法従事者の類別』

◆8都市での従事者:140名以上(殆どが先祖代々の技術を受け継ぐ形で技術を習得)
◆1日当たりの民間療法施設への来訪者数:1,775人(うち12.2%が高学歴者)

〇漢方によるもの:従事者全体の84.3%
(内臓疾患、糖尿病、高血圧、神経疾患、精神疾患、皮膚病、呼吸器疾患、性病などに対処)※イエメンの人口(約2,000万人)の50%は漢方を活用している。
〇接骨師:10.2%
(骨折、脱臼、打撲、背骨矯正などに対処。天然オイル、アップル酢などを使用する)
〇その他:5.5%
(ヒジャーマ(吸引玉)、焼灼等の方法により、神経疾患(座骨神経痛など)、精神疾患、皮膚疾患、マラリア、リューマチなどに対処)

原文には、上記以外にコーランによる治療、心霊治療、符呪などがあり。


2005年初冬号   「イエメンレポート」 vol.1
卒業生・服部陽二
イエメン

イエメンでのボランティアによるリフレクソロジー普及活動をし始めて1年半以上になりますが、生徒総数は50名前後で、現時点での生徒数は6名程度(全員女性)です。

イエメン人だけではなく、エチオピア人をはじめ、ケニア等のアフリカ諸国出身の人やロシア、ウクライナ人といった人たちで職種も難民から医者までとさまざまです。

イエメンを含めて開発途上国では、政府が不安定で社会保障制度もない上、貧困で基本的に刹那主義で生きざるを得ないという印象を強く受けます。

すべては神の思し召しという考え方なので、自分の健康に対する管理意識もきわめて低く、タバコといった肉体疲労等を弛緩させる嗜好品(酒類・性はイスラム教国なので禁止)に依存する傾向が強いと思われます。

日々の食事、水を確保することが死活問題の人たちには「健康を維持するためのリフレ」というのはあまりにも悠長な話です。
ただし、病院に行ったり薬を買うお金のない人は、最後の頼みとしてリフレの門をたたく人もいます。

リフレは病気治癒を目的とするものではありませんが、途上国ではいやおうなくリフレ=病気治療となってしまいます。
病人が多くても、医療サービスが十分に存在していないからです。
ボランティアでリフレをする人がいれば、それに一縷の望みを託してくる人も少なからずいますが、それは健康のためというよりは、生死にもかかわってくる話となります。
         
イエメン

刹那主義ゆえに根気がないし、あきらめモードにあるともいえますので、イエメン人の生徒(特に男性)は実はほとんど定着しません。

ドクターフットの手順で足もみをきちんと教えることができるのは、ほんの一握りです。
希望者には、この技術を習得するには週3回ペースで3か月はかかると言っていますが、脱落していく人がほとんどだからです。

50名前後の生徒のうち、きちんとマスターしたのは10名程度です。反射区をしっかりと記憶することができた生徒も、ほんのわずかです。

日本人のように、物事をまねる、または教えられたとおりに忠実に学ぶということは、イエメン人を含めたアフリカ系の生徒にとっては、かなりかなり困難な様子です。
一方で、彼らの独創性のある足もみの仕方や手の使い方に感心する場合も多々ありますし、アフリカの身体能力の優秀さを垣間見ることもあります。

また、体に関する基本的な知識も広まっていないため、不必要な心配をしている人が多いといえます。例えば、イエメン人(学校の先生)で「いつも熱があるようなので困っている」という人がいましたが、よくよく聞いてみると、排卵後からの基礎体温の高温期を病的な熱ではないかと思っていることがわかりました。

教育の場が十分でないこと、手軽な本・情報がないこと等により、女性が体のメカニズムを十分理解していないようですし、特に性にまつわる部分は社会的にも家庭内でもタブーなので、悶々と悩んでいる女性が多いとの印象を持っています。

足もみレッスンでは、そういう情報についても表現に細心の注意を払い、多少のお手伝いはできているようです。

また、 イエメンは深刻な水問題に直面しており、日々の飲料水や水を煮沸する燃料を確保することも困難な人々が大勢います。
汚染された水を飲用することになるため、足もみで飲むべき白湯という基本的な浄化のための要素を確保できないことになります。

もちろん、反射区を刺激るつことからそれなりの効果は得られるでしょうが、血液循環、体内浄化という観点からは、適切な白湯・水が十分に確保されない限り、足もみが不適切になる可能性もあります。

途上国では、衛生状況が劣悪です。ですから、感染病が恒常的に多く発生しているわけです。
例えばトイレに入っても紙も水もない。そこで手を使いますが、その手を洗うための水もないので、「手を洗うべき」という認識が欠如しています。
食事でも手を使って食べますが、体をきちんと洗うのは結婚式の前ぐらいのものだと言われています。

ですから、現地の人の足をもむときには、関係部位の念入りな洗浄や、使用後の洗い場等の殺菌等、衛生面で相当の注意が必要となります。
イエメンでは、単なる下痢が最も死亡率が高い症状です。
しかし国民に衛生観念がないからこそ、衛生問題が生じているということなので、衛生観念から注意を喚起することが必要となります。

約1年間、イエメンの英字紙に記事を掲載し、またアラビア語紙にも10連載ぐらいしましたが、その効果のほどは?です。
やはり新聞よりは口コミによる影響力が大だと思われます。
なぜなら、新聞という文字媒体そのものは、知的好奇心のある人、新聞を買える人・読める人(イエメンの文盲率は特に女性は約70%)に限られるので、必要な人にその情報が届きません。

知的好奇心の方は、情報で満たされれば自己満足してしまうので、実践までにはいたりにくく、また緊急性に乏しいのでしょう。
リフレの門を実際にたたいて技術を習得していくのは、病気を自分の手で治そうという必要性を感じている人や、家族等のサポートをしたいという人です。

生徒は、一定期間を過ぎると、自然と巣立っていきます。
もちろんすべてを習得したわけれはない場合も多々ありますが・・・

私としては、一時的に「生徒」だった人が、リフレについて何らかのアイデアを得ることができただけで十分だと思っています。
その後は彼らから何の連絡もありません。少し寂しいような気もしますが、世の中は一期一会。足もみをそれぞれの存在する場所でそれなりに生かしているだろうと思うことにしています。

もちろん、門戸はいつでもオープンです。
私自身はイエメンという国の水面に、新聞を通じて一石を投じることができただけで十分であり、後は水面に波紋が共振していき、またそれが反射して戻ってくるのを待つだけで、事たれりと思っています。

2005年春号  3/12 JTFAイベント
                                         

なつかしいあの人と再会!仲良しさん同士のご参加、会員の皆様のおかげで、大いに盛り上がりました。残念ながら参加できなかった方からも、近況とともに「次回は是非!」との嬉しいお声を、たくさんいただいています。

当日は、ドクターフットアカデミー卒業生同士の交流はもちろん、フットプリントの取り方などの講習もありました。自分の足の形は、ふだんはわからないものなので、リアルな自分の足を見て、ちょっとびっくりという方もいらっしゃるようでした。

イベントの目玉は、與那嶺副院長による新コース「巻き爪ケア」についての解説。参加者からは活発に質問がなされ、関心の高さが伺えました。
巻き爪で悩む方はふえ続けていますので、今後も注目される技術でしょう。

巻き爪ケアコースについて、詳細はこちらから。


2003年秋号  「ボランティア活動報告」老人福祉施設江東園
                                          アカデミー講師 川島正子

今回は、私が卒業生の皆様や受講生さんを引率して伺っているボランティアのリポートをお送りします。

「江東園」は、実は江東区ではなく、江戸川区にある社会福祉法人です。世界で初めて老人福祉施設と保育園を同じ敷地に併設したことで、海外メディアにも取り上げられています。

江戸川区は、小学生から「お背中流し隊」を募り、お年寄りとの交流を図るなど、ユニークな試みを実践していますが、江東園の杉施設長は、区の福祉事業の中心的存在なのです。

こちらは複合施設なのであらゆるサービスを提供していますが、我々が足もみをさせていただくのは、デイケアで通所する利用者の方々です。

実際、手にした技術をどのような形で活用し、維持していくのかお悩みの方も多いのではないでしょうか?このボランティア活動は、そうした皆様の声から生まれました。

リハビリや趣味の活動に積極的に取り組む人生の先輩方や献身的なプロの介護を提供する施設スタッフの皆様から貴重な話を伺うことができますし、利用者の方々から心のこもった「ありがとう」の言葉を受けて、参加した皆様にはご自身の手にした技術のすばらしさを実感していただいています。

 

 
 
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